2022年の新春を迎えるにあたり、所感の一端を申し述べ、ご挨拶に代えさせていただきます。旧年中は、新型コロナウイルスの感染拡大が世界中で続き、宿泊・飲食業をはじめとする多くの産業が影響を受けました。感染症は、どんなに注意をしていても感染力が強い場合は如何ともし難い性質を持つものです。それでも出来うる限りの努力を法人挙げて行なった結果、最小限の被害に収まったと思っております。また、感染拡大の状況に置いて、ご入居者へのご家族の面会制限に協力頂いたことについて感謝申し上げます。
今回のコロナウイルス感染は、今後の社会保障において様々な影響を引き起こすと考えられます。例えば、日本が世界と比較して優れた仕組みを持っていたと考えられていた医療体制をどう再編成するのかという問題があります。先進国でも医療崩壊が起きていますが、日本の場合、患者数が他国と比較して少ない段階でキャパシティーがなくなることにどう対応していくのか、一部の医療機関のスタッフのみが過重労働になる仕組みの改善をどのようにするのか、保健所の機能と能力をどのように適正化していくかなど様々な課題が見受けられます。また、介護現場においても、事前に感染症に対するBCP(事業継続計画)を作成していたところは少なかったと思われます。今回の件を教訓として、法人の中にしっかりとした備えを持つことがとても重要になります。
感染症の流行は、マイナス面ばかりでありません。例えばウェブ会議を始めとする様々なテクノロジーが一気に普及しました。今後、その傾向は一段と加速していくと思われます。一般の企業と比較して我々社会福祉法人は、まだまだICT化が進んでいるとは言えない組織ですが今後はそういった分野にも注力していきたいと思います。
結びに本年が皆様方におかれまして良い一年であることを心より祈念いたします。
2022年 元旦
社会福祉法人こうほうえん
理事長 廣江 晃